2010年03月15日

弁護士の話は、なぜ難しいと感じるのか〜法律相談を有効活用するために〜

 一般の方の感想として、弁護士の話は難しいというお話を伺うことがあります(誤解のないように言っておくと、私が言われた訳ではないので念のため)。
 今日は、弁護士の話が難しいのはなぜかについて、私なりの分析を書いてみようと思います(これは、通常、私がご相談の際に意識して気をつけていることでもあります)。

 弁護士の話が難しい事情としては、2点あると思います。
 第1に、前提を当然のものとしてとばしてしまう場合があります。例えば、相続の解説をする際、弁護士は、まず、相続人と相続分あたりから話をすることが多いと思います。しかし、冷静に考えるとこの話には、亡くなった方が持っていた財産は、国とかが持っていってしまう訳ではなく、相続人(配偶者とか子とか)が相続し、その財産を取得することになるという前提が抜け落ちています。
 相続のような身近なものであれば、前提がとんでも、それほどわかりにくくならないと思いますが、もっと難しい話で前提が飛ぶと、とたんに話がわかりにくくなります。ただ、弁護士同士の話では、前提は知識としてありますから、前提が飛んでも話は完全に通じます。ですから、普段と同じように前提を飛ばして話がちになることがあります。
 第2に、法律専門用語の難しさがあります。専門用語は、難解で私たちも説明に気を遣ってはいるのですが、つい専門用語を使いがちになる理由もあるんです。専門用語は、イメージとして業界用語と思われているかもしれませんが、法律の専門用語は単なる業界用語と違う厄介な部分もあります。というのは、法律の専門用語には、意味が入っている場合が多いんです。
 例として、「破産をすると借金がなくなる」というイメージをお持ちの方がいるかもしれませんが、借金を返さなくてよい状態にするためには、破産だけでなく裁判所の免責決定を受ける必要があります。また、免責決定を受ければ、借金支払いの責任を免れる効果が生じ、取立てもできないので事実上借金がなくなったのと同じ結果にはなりますが、返済をしなくてよくなるだけで、法律上完全に借金が消滅するわけではありません。そうすると、「破産で借金がなくなる」という説明は単純でわかりやすいのですが、法律的には非常に不正確でこんな説明をするわけにはいきません。このように、専門用語に意味が入っていると、わかりやすい簡潔な説明と正確性の両立は難しいのです。ですから弁護士は、つい正確さを重視する結果、専門用語を使いがちになり、また、わかりやすくしようとすると説明が長くなります。
 そこで、皆さんが法律相談を有効に活用するためには、遠慮しないで、わからないことはそのままにせず「それはどういうことですか?」と質問して下さい。弁護士もわかりやすくを心がけてはいますが、気がつかず、難しいことを言ってしまうこともあります。法律相談は、相談した人のためにあるもので、私達も、説明を理解してほしいと思っています。理解できない説明では、有料相談を受けたかいがないです。弁護士に質問して不機嫌になったら嫌だとご心配の方もいらっしゃるかも知れませんが、そんな弁護士あまり聞かないし、そうなったら別の弁護士を探せばいいだけですよ。
posted by 森山 弘茂 at 21:27| 法律相談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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