2010年07月20日

5歳の長女を連れ去り離婚調停中の父ら逮捕

 今日、5歳の長女を連れ去り、離婚調停中の父ら逮捕という記事を目にしました。
 実の子供を連れ去って、父と祖母が警察に逮捕されてしまったようです。
 子供と別居した後だと、実の子供を連れ去った場合であっても、未成年者略取(刑法224条)という罪に問われる場合があります。法定刑は、3月以上7年以下の懲役と結構重罪です。
 過去に、同じように実の子を連れ去って未成年者略取の罪に問われ、最高裁判所まで争ったものもありますが、最高裁判所でも違法性は阻却されない(要は、有罪です)とされています(最決平成17年12月6日)。

 自分も親権者だし、実の子がかわいいから連れ去ってしまうというのは、心情的にわからない訳ではありません。
 しかし、これをやってしまうと犯罪者となりかねません。

 もし、どうしても離婚に際して親権が取りたいということであれば、別居の際、子供は手元から離すべきではありません。仮に、別居の際、子供を連れて行かれてしまった場合には、子の監護に関する処分としての子の引渡しの審判、審判前の保全処分を早急に申立て、裁判所を通して正面から戦うしかないでしょう。
 子供がかわいいから、親権が欲しいからといって、お子さんを強引にさらうようなことは絶対に控えて頂きたいと思います。

 しかし、そもそもその前に、離婚を考えたら、離婚後にことを有利に進めるため、専門家のアドバイスを受けながら、周到に事前準備をすることも大切だと思います。
posted by 森山 弘茂 at 18:30| 離婚問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月02日

沢尻エリカ、離婚協議を弁護士に

 ここ数日、沢尻エリカさんの離婚報道が世間をにぎわせています。
 SANSUPO.COMは、沢尻さんは、すでに弁護士に「両者の話し合いの仲介役を依頼した」と報じています。
 ただ、この「話し合いの仲介役」という表現はくせもので、おそらく弁護士は沢尻さんのかわりに、離婚を説得する説得役でしょう。
 夫の高城剛氏は、離婚に心あたりがなく何が何だかわからない様子で、本人と直接の話し合いを望んでいるようですが、沢尻さん側に弁護士が入った以上、直接の話し合いはほぼ絶望的でしょうね。
 
一般論からすると、一方がいくら「直接話し合いをしたい」「よりを戻したい」と言ったところで、相手方に弁護士が入ると、よりを戻すことはほぼ絶望的になります。
 というのも、我々弁護士は、交渉(離婚協議)の際、ご本人(依頼人)の要望に沿った解決をするよう努力します。そして、我々が離婚交渉(協議)の依頼を受けるのは、「離婚したい」という要望です。そうすると、必然的に、相手方との交渉は、離婚を前提にしたものにならざるを得ません。また、弁護士を依頼した時点で、通常、離婚したい側は、本人とは直接話をしたくないとの要望でしょうから、弁護士は直接の話し合いの要望は突っぱねます。
 よりを戻したい男性側は、弁護士が交渉に入ったからといって離婚に応じる必要はありませんが、弁護士はよりを戻す方向では一切話し合いをせず、徹頭徹尾離婚するよう説得するのが通常です。さらに、交渉窓口は、弁護士が入ると弁護士に一本化されますので、本人を直接説得することもできない。弁護士側としては、どうしても交渉に応じてくれなければ離婚調停に、調停でも解決しなければ離婚訴訟に進んで離婚の方向に持っていくだけです。
 よりを戻したい男性側としては、離婚原因を自分が作っていない自信があれば、交渉でも調停でも離婚に同意せず、裁判で離婚請求の棄却(離婚を認めないとの判決)を求めて戦うという選択肢も無くはありません。
 ただし、裁判所では、和解に応じろ(この和解は離婚が前提です)とやんややんや言われるし、それでも頑張って訴訟で勝訴し、離婚請求棄却(離婚は認めない)との判決を得たとしても、同居を強制する方法はないので、裁判に勝っても別居状態は続くことになります。
 そうすると、同居中には離婚原因がなかったとしても、別居が長期間続いたことが別の離婚原因となりますから、離婚したい妻が、例えば3〜4年後に再度、長期間の別居を離婚原因として離婚を主張してくれば、よりを戻したい男性がこの主張に対処することは圧倒的に難しくなります。
 結局は、意地になって頑張ったところで、離婚を何年か先延ばしにするだけの結果です。

以上のように、弁護士が入ると、何をしてもよりを戻す方向にはいかないのです。
 男性側からもよく相談を受ける私からすると、男性側にろくな離婚原因もない場合にそんなわがままな離婚が認められることに納得はいきませんが、現実は受け入れてもらう他ないのでしょう。男性側に離婚原因がないのであれば、こちらに離婚原因がないのに離婚してやるということで離婚条件を少しでも有利にして、離婚自体は受け入れ、きれいさっぱり別れることがご本人のためかもしれません。

 そうすると、離婚したいという沢尻さんが弁護士に交渉を依頼したという判断は正解です。
 ただ、ミーハーな私からすると、沢尻エリカの依頼を受けた弁護士さんが若干うらやましいところです。
posted by 森山 弘茂 at 16:54| 離婚問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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